明日やろうはバカ太朗

若手ビジネスパーソンとともにビジネスモデル・スキルについて学びつつも、ときどき趣味についても話したくなるブログ。

【余暇市場の活性化】「asoview(アソビュー)」の分析

個人的にレジャーやスポーツ産業に興味があり、大学時にはスポーツツーリズムの体験学習と称してゼミ合宿で、蔵王でスノーボードを行ったりや水上でキャニオニングを行いました。

ということで本記事では、レジャー予約サイトの「あそびゅー(http://www.asoview.com/)」を分析していきます。 

ウェブを通じてワクワクを広めるというアソビューの想い

インターネットを手段として、豊かな自由時間を過ごす機会を最大化し、一人ひとりに合った選択を可能にすること。そして、もっと楽しくすること。これこそがチームアソビューのミッションです。
上記は、コーポレートサイトからの抜粋です。 アソビューは、ウェブを通じてユーザーに多様な選択肢を与えて余暇時間を最大限楽しんでもらうといった想いがあります。 例えば、旅行プランを探した際に交通手段と宿泊施設がセットになったプランはあるものの現地で何をやるかの情報が探しにくいといったユーザーの課題を解決するサービスです。

余暇市場を横断的に網羅

レジャー白書2014によると、余暇市場は11年ぶりに成長し65兆強となっています。特に「観光・行楽」部門が伸びを示しており、その他の余暇市場には、「スポーツ」「趣味・創作」「娯楽」の部門に分かれておりギャンブルは娯楽に分類されます。
この中でも、アソビューは「スポーツ」「趣味・創作」「観光・行楽」を横断的に網羅しており、大きくとらえれば規模感のある市場で、「アクティビティ」という市場をつくっていくイメージに近い印象です。
 

Yahoo!トラベルとタッグを組んで余暇市場の活性化 

基本的には、各アクティビティの提供業者が情報が掲載費用もしくは総客費用を支払うモデルと予想できますが、サイト上では「掲載無料(※一部ジャンルは有料)」の旨の記載があります。

また、Yahoo!トラベルとの提携を通して集客チャネルのひとつになっています。

thebridge.jp

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また、上記の図には含めていませんがアクティビティ提供業者は地方であることが多く、1社ずつ新規開拓をするのは不可能に近いと予想され、観光協会やポータルサイト運営業者などのなんらかのパートナーの存在があると考えられますが、調べた限りでははっきりとしたことはわかりませんでした。

顕在ユーザーを獲得。今後は検討ユーザー

 顕在ユーザーとしては、それぞれのアクティビティに興味があって実際にそれができる場所を探しているユーザーになります。GoogleのCMでフライボードが紹介されたことによって、フライボードを認知して興味を持ったユーザーがアソビューにたどりついて予約を行うとったユーザーフローが象徴的です。
その一方で、夏休みのプランを迷っているユーザーなどの一段階潜在的な層にはアプローチが十分にできていない可能性があります。余暇市場の場合、ユーザーの余暇時間の奪い合いになるため、スポーツが映画と競合したり、テーマパークと陶芸教室が競合する可能性もあります。いかにユーザーの選択肢を広げて、魅力を伝えていくことができるかといった部分が大切になります。
 

豊富なアクティビティ情報

約300種類のアクティビティ、9,000以上のプランを掲載しています。

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そして、各アクティビティごとにプランが一覧で紹介されており、どこで、いくらでできるかといった詳細情報を見ることができます。

 

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読んだら遊びに行きたくなる「あそにゅー」

9,000のプラン紹介とは別に、各地域のイベント情報の紹介記事もあります。アクティビティの体験というよりは、スポット的なイベント情報が比較的おおい印象でフロー性の高いコンテンツを更新しています。

 

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記事ページを閲覧すると、関連記事として近くの地域の情報が表示される仕組みになっており、「ついでにここも行こうかな?」といったユーザーの動きが起こるようになっています。

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流入の軸は検索、アクティビティ名×地域で上位表示の傾向

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SimilarWebより

アソビューは、代表的なアクティビティ名で上位表示されています。特定のアクティビティについてまとめているデータベース型サイトの競合が少ないことも要因の一つと考えられます。ただ、競合のそとあそび(http://sotoasobi.net/)と比較すると検索エンジンでの上位表示力は強いと見られます。SEOの細かい部分の分析は別途アウトプットできればと思います。
 
上位表示ワード例
「パラグライダー■関東」 1位
「バンジージャンプ■関東」 2位
「フライボード■関東」 1位
「ラフティング■関東」 3位
※順位は7/21時点
 

Yahoo!トラベルからの導線 

ビジネスモデルの部分でも言及しましたが、Yahoo!トラベルとの提携によりYahoo!トラベルTOPから2クリックでアソビューのサイトに流入する導線がつながっています。Similarwebでは約17%が参照サイトからの流入になっており、その多くがYahoo!トラベルからの流入とも考えられます。

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Facebookページの運用

Facebookでは、アクティビティやイベントの紹介を行っています。アクティビティの写真はタイムライン上でも目をひくため、Facebookと相性がいいコンテンツと言えます。

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このように、検索からの流入を軸に参照サイトとSNSそれぞれバランスよく流入を獲得していると言えます。今後より多くのユーザーを獲得するためには、前半部分でも触れたように潜在層を取り込むためのバイラル性の高いコンテンツの追加とSNS拡散などが重要になるかもしれません。

今後は「3C」の機能を兼ね備えたサイトか?

余暇時間をより楽しく有意義に過ごしたいといったユーザーのニーズに対して情報を提供しているアソビューの今後は、「3C」のフレームに沿ったメディアとしての発展ではないかと考えます。
 

ウェブメディアの3C

  1. コンテンツ
  2. コミュニティ
  3. コマース
1,コンテンツ

アクティビティ情報以外にもユーザーが欲している情報をより充実させる余地は十分にあります。遊びに行った時のレポートコンテンツである「あそレポ」もその一つですが、例えばアクティビティのコツやよくある失敗などのプチハウツーコンテンツなどがあれば、ユーザーはよりアクティビティのイメージが湧くのではないでしょうか?

 

2,コミュニティ

最近では、個人同士が集まってフットサルを行うことが流行っており、筆者も高校時代に参加したことがあります。同じ活動を行うことで人と人のつながりが構築されやすいとといった価値があります。初心者同士でアクティビティに参加したり、好きなアクティビティを通じてオフラインで交流するような機能があればユーザー価値が高まるかもしれません。

 

3,コマース

人どうしのつながりがあれば、その延長線上で道具の個人間売買などの活動が発生する可能性はあります。

 

体験から上達へのユーザーモチベーションへ

現状、アクティビティの体験のきっかけになっているため、そこから特定のアクティビティにのめり込んでより上達したいというユーザーが一定数生まれてくることが考えられます。上記の3Cの機能を通じてそういったユーザーが再度サイトに訪れる仕組みづくりは効果的かもしれません。

 

レジャー産業は、まだ比較的新しい市場だと言えます。近年、キャニオニングやフライボードなどの魅力あるレジャーが海外から輸入され、地域の活性化などの副次的経済効果ももたらしています。今後の動向を観察していきます。

 

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