明日やろうはバカ太朗

若手ビジネスパーソンとともにビジネスモデル・スキルについて学びつつも、ときどき趣味についても話したくなるブログ。

オウンドメディアの事例から見るコンテンツマーケティングのポイント

トリプルメディアの概念は以前から一般的なものとして浸透してはいましたが、オウンドメディアがマーケティングの手法として重要視されるようになったのは比較的最近のことです。正確には、以前から重要視していた企業もあったものの、ここ数年で資金を投じてオウンドメディア戦略の強化を図っている企業が増えて来ているといった状況です。

オウンドメディア戦略と重要視してる背景

その背景にはコンテンツマーケティングというマーケティング手法の浸透が影響しています。コンテンツマーケティング浸透した理由は大きく3点と考えています。

  1. Googleのアルゴリズム変動
  2. スマホの普及
  3. SNSの普及

Googleのアルゴリズム変動により、ペイドリンクの規制が強化されたとともに、サイトコンテンツの内容を判定する精度が上がってきていく流れが大きく影響しています。Googleが提供したいのは高品質の検索結果であり、それを実現するためにスピーディーに技術的改良を進めていますので、今後もサイトコンテンツを読み解く精度は上がっていくと思われます。

スマホの普及とSNSの普及は非常に深い関わりがあります。スマホの普及により、ウェブへの接続障壁が下がり接続時間が飛躍的に向上したとことで、短時間のアクセスが習慣化されてきています。

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(出典:ジャストシステム

ジャストシステムの調査によると、10代のスマホ利用時間はテレビを上回り女子高生の平均スマホ利用時間が200分を超えているというデータが出ています。

上記はひとつの象徴的なデータではありますが、若年層だけでなく全世代共通してスマホの普及が進んでいます。

 

スマホが普及することで2つの変化が起こっています。

1,友達とつながり、個人個人がメディアとして情報発信と情報取得できるようになった

2,ウェブを通じてTVや雑誌とはことなるタイミングで、自分が欲しい情報を受け取る

 

情報の取得方法と発信がウェブになっていることで、ウェブ上での情報が購買行動に与える影響が非常に大きくなってきています。プロダクト・サービスの提供者は消費者との接点を増やし、購買行動につなげてもらうための手段としてオウンドメディアを構築する流れが強くなっています。

 

それではタイプ別に3つの事例を見てみましょう。 

オウンドメディア事例① 万人共通のテーマで情報提供

www.kaimin.info

企業名:アステラス製薬株式会社

ジャンル:健康・医療

コンセプト:眠りの総合情報サイト

コンテンツカテゴリ:睡眠障害について、睡眠薬について、高齢者の睡眠 など

コンテンツタイプ:コラム(ライター不明)

 

様々な商品を提供しているアステラス製薬ですが、睡眠という全ての人にとって非常に重要なテーマにしぼり、役立つ情報を提供しています。記事は要点をまとめて、わかりやすくなっていますが、専門家のライティングかどうかは不明です。SimilarWebで調べたところ約85%がオーガニックからの流入になっています。

シンプルな受け入れやすいメッセージをベースに、有益な情報を提供しています。

 

オウンドメディア事例② ビジュアル+解説で啓蒙

suvaco.jp

企業名:SUVACO株式会社

ジャンル:住まい

コンセプト:理想の家を探す

コンテンツカテゴリ:キッチン、リビングダイニング、トイレ・バス など

コンテンツタイプ:コラム(編集部)

 

理想の住まいを手に入れるために、新築と中古の概念とは別のリノベーションといった選択肢を認知させブランディングするためのオウンドメディアになっています。あくまでもビジュアルでリノベーションの良さを伝えることを軸にしており、見た目の魅力に補足するような形で機能面のメリットなどを編集部が解説しています。

コーポレートサイト、サービスサイト、オウンドメディアの機能が同一のドメイン内にあり、企業ブランディングと購買行動への誘導がスムーズに行える形式になっています。

SimilarWebで調べたところ、検索エンジンからの流入が30%弱あり、「洗面台 素材」などの一般的なワードでの上位表示もされています。ユーザーを取り込み、ビジュアルを中心にリノベーションの良さを伝え、最終的にはそれらを手がけた建築家に直接問い合わせるサービスになっています。

 

オウンドメディア事例③ 動画+記事で動画マーケティングの良さを伝える

www.movie-times.tv

企業名:株式会社LOCUS

ジャンル:動画マーケティング

コンセプト:動画マーケティングの最新情報

コンテンツカテゴリ:動画メーケティングの基礎、最新事例

コンテンツタイプ:動画+記事(編集部)

 

最近注目されている動画マーケティングの良さを啓蒙するために豊富な情報を提供しています。動画マーケティングを検討している企業向けには「バズらせたい」「ブランディングしたい」などの目的別に事例を紹介しています。それに加え、動画マーケティング市場についての解説など、これから動画マーケティングを検討する企業向けにも有益な情報を提供しています。比較的に顕在層向けのコンテンツにはなっていますが、網羅的に定期的に情報を配信しているため定期的に訪れたくないサイトになっています。扱っているサービスが動画マーケティングなので、オウンドメディアに動画が使われるのは当然ですが、動画はテキストと異なり直接感性に届けることができるコンテンツになっているため、ブランディングの効果が見込めます。

 

デバイスと接触シーンの変化に伴いコンテンツ・マーケティングは変化する

3つのオウンドメディアの事例を見ていきました。

それぞれに共有することは下記の通りです。

 

・自社サービスに関節的につなげるためのユーザーへのメッセージ(サイトコンセプト)がある

・対象ユーザーにあったコンテンツ形式を採用している

・ユーザーの有益な情報を与えるだけでなく、価値観や行動の変化をもたらす

 

自己満足にならず、効果的なコンテンツ・マーケティングを行うために、上記のポイントをおさえてオウンドメディアを構築することが大切です。

ただし、冒頭でも述べたようにユーザーが使用するデバイスの変化、情報への接触シーンの変化によって、当然情報の届け方は変化していかなければなりません。

 

①そのような変化に対応しながらも、

②自社が大切にしている軸をぶらさずに、

③ユーザーに有益な情報を与え、

④ユーザーの価値観・行動を変える。

 

これがコンテンツ・マーケティングのポイントになるということを事例から感じ取りました。