明日やろうはバカ太朗

若手ビジネスパーソンとともにビジネスモデル・スキルについて学びつつも、ときどき趣味についても話したくなるブログ。

後発フリマアプリ市場は既存事業のシナジー&ニッチへ

スマホの普及による幅広い層の利用が市場を拡大させている

今までもCtoCの売買がウェブ上で行われてきましたが、その大部分を支えてきたのがヤフオクを代表とするオークションサービスです。ただ、オークションサービスを利用するためには、商品の撮影と出品登録から値段の決定や入札状況の把握、発送などの一連の作業がありますが、特に入札状況の把握や値段の設定が難しいと感じるユーザーが多いのは事実です。

また、数年前からスマホの普及が進みウェブリテラシーが比較的に低いユーザーも個人間で商品の売買を行いたいというニーズが大きくなってきました。
そのような層のユーザーがCtoC売買の市場を拡大させてきている背景があります。
 

商品の検索ではなく、回遊する場所としての価値

フリマアプリの普及は、ユーザーの購買行動にも変化がもたらされました。今までのオークションサービスでは、基本的にはユーザーは自分が興味を持っている商品カテゴリを検索し、更に値段などの条件に合ったものを絞り込んでいくという流れが一般的でした。一方フリマアプリでは、複数のカテゴリが同一のタイムラインに流れていることが多く、流し見をしないがら興味をそそる商品を見つけていくといった新しい購買のかたちがウェブ上にも生まれました。
なんとなく帽子がほしいと思ってアプリを閲覧していると、おしゃれな靴が見つかり購入したくなるといったことが普通に行われます。

フリマアプリの主要プレーヤー 

まさにレッドオーシャンのフリマ市場の主要プレーヤーをいくつかみていきましょう。

 

メルカリ

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600万ダウンロードを突破し、レッドオーシャンのフリマアプリの中で確固たる地位を築き上げています。2014年までに総額約24億を調達し、リアルでのフリマイベントも開催するなど更に成長を続けているサービスです。
 
取り扱う商品はオールジャンルで、ハンドメイド製品も出品されています。
決済方法が充実しており、ユーザーにとって使いやすいサービスになっています。
 

Fril(フリル)

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女子大生やOLに人気で、300万ダウンロードを突破しています。男性だとわかった時点で退会させられるほど女性向けを徹底しています。フォロー機能で自分と同じ嗜好性のユーザーが出品したアイテムをチェックできます。 

 

ショッピーズ

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10代、20代の女性向けのフリマサービスで、スマホアプリのローンチはフリルよりも遅かったものの、ガラケー時代からサービスを展開していた老舗サービスです。シェアはメルカリとフリルに届かないものの、100万人以上の会員数がいるサービスです。

LINE MALL

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やはり、LINEの最大の特徴は、グループ購入機能やギフト機能など、LINEのコミュニティ機能と連動して機能するところです。また、出品、販売手数料、決済手数料無料が特徴で、後発のサービスではあるもののユーザーにとって使いやすいサービスになっています。それ以外には、提示金額がかぶらなかった際にその金額で購入できる「チャンスプライス」をほぼ毎日開催しており、ユーザーを惹きつける一つのイベントとなっています。
 

ラクマ

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楽天が提供がフリアサービスで、後発サービスだが、最短1分で出品できることと楽天ポイントが利用できることでシェア拡大を図っています。出品手数料、販売手数料、決済手数料はすべて無料で提供し、支払い時に楽天ポイントも利用できます。

  

サービス終了となったフリマサービス

メルカリを始めとするプレーヤーが成長する中で、この市場に参入して撤退したサービスも複数あります。そのいくつかを紹介します。

 

マムズフリマ

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サイバーエージェントが提供していた主婦向けのフリマアプリで、「ママ事業」全体でシナジーを目的として手数料無料でユーザー拡大を図ったが、2014年11月にサービス終了となりました。
 

リストア

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ブランド古着を対象としたサービスで最低登録金額が5,000円となっている点と、Facebookと連動したソーシャルコマース機能が特徴でしたが、2014年9月にサービス終了となりました。

 

Prima(プリマ)

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小さな子どもがいる親を対象に、子供服の売買を行うサービスとして2013年3月にスマホアプリをリリースしましたが、2015年1月にサービス終了しました。 
 

ローンチ後1,2年の勝負のフリマアプリ

本記事で主要プレーヤーとしていくつかのサービスを紹介していますが、この類の記事をいくつかチェックしているとすでに終了している サービスが普通に主要プレーヤーとして紹介されています。スマホの普及とともに2012年以降ぐらいからサービスが立ち上げったものの、その後1,2年でユーザーの囲い込みと定着、更にはマネタイズの部分で勝負が分かれる印象があります。

 


ユーザーの定着が大前提のCtoCサービス

当たり前の話ではあるが、商品の「仕入れ」にあたる出品も「販売」にあたる購入もユーザーによって行われるため、BtoCサービスよりもユーザーの定着が最も重要になります。また、アプリを通じてのサービス利用となりユーザーは限られたサービスのみを利用するため、数あるライバルよりに勝って必要があります。

今後は既存事業とのシナジーとニッチ領域がカギ

後発のサービスがメルカリを始めとするプレーヤーに真っ向から勝負してユーザーを獲得することは非常に難しい状況です。

LINE MALLやラクマのように既存事業とのシナジーをもたらすことを目的にすることが一つの戦略となります。

 

既存事業とどのようにシナジーを持たせるか?

・既存コミュニティ機能にコマース機能を追加

すでにコミュニティが機能している中で、その延長としてコマース機能が追加されることで、ユーザーの満足度の向上と定着が期待できます。ただし、手数料無料などのちょっとしたユーザーメリットがないとユーザーに選んでもらえない現実があるようです。

 

・ポイント利用の選択肢を広げる

ラクマのようにポイントの利用の選択肢としてコマース機能を追加してユーザーの満足度を上げるといった方法があります。現金や商品購入でポイント消費する場合、ユーザーのアクションは基本的に単発で終わってしまいますが、CtoCでのポイント利用の場合は出品者と購入者の2者間でのアクションになるためサービスの活性化が図れます。

ニッチ領域でユーザーにとって価値あるサービスに

レッドオーシャンの市場に参入するときの基本フレームではありますが、フリマアプリに関しても特定の領域にとがっていくことが求められます。特に、深いニーズがある趣味の領域でのフリマサービスはユーザーニーズがあります。

 

例えば、釣り用品に特化したフリマサービスはその一例と言えます。

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セルバイ(株式会社カプスモバイル)

https://sellbuy.jp/

セルバイは釣具の個人間取引に特化したサービスで、オークションよりも手軽に安く釣具を購入することができ、手軽に出品ができます。

 

ニッチ領域の顕在層へのアプローチ

今までは幅広い商品が取引されており、潜在的なニーズを引き出す役割だったフリマサービスですが、特定の領域に特化することで自分が求めるものを安く手に入れるといったことができます。ただし、その領域の商品に関してはヤフオクに劣らない品揃えになっており、さらにヤフオクよりも安いといった状況が実現されて初めてユーザーに選ばれるサービスとなります。

 

シナジー&ニッチで新たなフリマの価値

上記でも触れたように、今後の新規参入は非常に厳しい闘いになりそうな市場ですが、既存事業(既存コミュニティなど)の延長として特定領域の個人間取引を実現することはユーザーにとって非常に価値的であると言えます。

それほど簡単なことではありませんが、キュレーションメディアにCGM機能がありますが、そこからコミュニテが機能し、個人間取引のコマース機能が付与されるような流れも価値的ではないでしょうか?